ミクロアース物語 0.01

奇跡を受け継ぐ星

 遙かな昔、銀河系の片すみで一つの星が超新星爆発を起こし、死んでいった。超新星は、これまでに核融合によって蓄えた様々な元素をまき散らし、壮絶をきわめる輝きの中でさらに幾種類もの元素を生成した。星間雲の内部ではその衝撃波によって密度の揺らぎが生じ、円盤状に回転しながら星くずたちが集まりだした。やがてその中心には再び核融合の灯がともり、ガス円盤は凝縮して多数の惑星と氷や岩石のかけらとなった。原始惑星達は互いを己の重力の支配下に置こうとして、中心星の周りを回る軌道はすぐには安定しなかった。
 ガス円盤ができて長い時間が経ったが、中心星から約500光秒の位置にあった惑星はまだ炎のかたまりとして浮かんでいた。そこへまた一つの惑星が軌道を乱されて接近し、遂に衝突した。2つの惑星は合体して互いの成分を分かち合い、飛び散った破片は集まって衛星となった。地球と月の誕生である。
 中心星の太陽は次第に核融合の光を増しつつあり、その後数十億年に渡って第3惑星に海を存在させる暖かい光を放った。地球には生命が育ち、時折訪れる氷河期や、天空からもたらされる劫火にも耐えながら進化していった。そして地球上に人類が現れ、地球を支配するようになり発展していった……


 人類はそのふるさとたる宇宙に意識を向けた。彼らは巨大な石を用いて星々の法則を探ろうとした。イギリス、ソールズベリー平野にある巨石記念物ストーンヘンジは、天体観測施設であり、これを用いれば日食や月食を予測することができた。エジプト人は天体観測を元に正確な暦を作ったが、エジプトの大王が作ったピラミッドも太陽の運行と関係が深い。17世紀には望遠鏡が発明され、天文学が発達した。それは数学や物理学と結びついて、宇宙の謎を次々と解き明かしていった。
 しかし、宇宙についての理解が進むにつれて、人間達の存在の小ささが際だつようになった。電磁波で観測可能な宇宙の果ては100億光年とも200億光年とも言われ、将来光子ロケットによって光速の90パーセントで飛行することができたとしても、80年の生涯かかって到達できるのはほんの180光年、銀河系オリオン腕の外に飛び出すことさえできない距離である。時間的にも同じことが言え、ビッグバン以来の時間を1年に例えると、文明が起こってからの時間など1分にも満たない。
 無限に広がる大宇宙、1000億の星からなる巨大な銀河系も大宇宙からくらべれば、ほんの小さな宇宙にすぎない。さらに地球は銀河系宇宙の1000兆分の1以下の大きさしかない。銀河系から見れば地球はチフス菌ほどの大きさにしかならないのだ。
 こんな小さな地球に我々は住んで生活している。公害、交通地獄、戦争、地球上には諸々の悪があるが大宇宙から見たらなんとつまらないことで人々は争っているのだろう。だからこそ、大きな心をもって、地球の正義と平和を望まなければならないのだ。    

君は宇宙人がいると思うか!?

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