ミクロアース物語 2.03

Victory計画

ネオ・ノーチラスの片貝博士が誕生させたアノドロイド及びサイボーグ達は、ある日、自分のコンピューター頭脳に組込まれたクリスタル発信回路が352.453メガヘルツの異常な電波を感じているのに気づき、片貝博士に報告した。博士は怪電波の正体をつきとめるべく1号に調査命令を下した。
都心の超高層ビルディングの上空にさしかかった時、コンピューター回路が発信位置をとらえた。物影ひとつない屋上に降り立った1号は逆に352.453メガヘルツの電波をクリスタル発信回路から発した。するとなんということだろう、サイボーグを超小型化したようなミクロマンが屋上のあちこちから姿をあらわしたのだった。一瞬、警戒をした1号だが直感的に彼らが敵でない事を悟った。互いの意志や目的を語りあったサイボーグはミクロマンが他の惑星からやってきた正義の仲間である事を知り、ネオ・ノーチラスへ案内した。分子結合による新しい武器の開発に着手していた片貝博士は、ネオ・ノーチラスのサイボーグ科学にミクロマン科学を導入して、ミクロマンとサイボーグの結合マシンの開発を着々と完成させていき、また、ミクロマンも片貝博士のアドバイスや頭脳をかりて、UFOと同じ超合金製のミクロ円盤の製作にとりかかった。
ミクロマンが地球の平和のために、活躍しているころミクロマンのまったく知らないところで、正義のために戦い続けている人々がいた。
それは…海底基地ネオ・ノーチラスの片貝博士やサイボーグ、アンドロイドAたちであった。彼らは侵略者から地球を守るために日夜活動していた。つぎつぎに起こる怪事件の調査のためにミクロマンたちが会議を開いていたとき、カプセルの受信装置がかすかな電波をとらえた。奇妙な電波は徐々に強くなり近づいてきたのだ。しかもそれは352.453メガヘルツで大水晶体からの周波数と同じなのである。そして電波が最大に強くなったとき、なにものかが、ミクロマン基地であるビルの屋上に降り立った。 …なんという事であろう。ミクロマンを超大型化したような奇怪な人間と動物がいたのだった。一瞬、謎の事件を起す敵だと思いミクロマンは攻撃態勢に入った。しかし味方である事を、テレパシーによって確認し、互いの目的が同じ事を知って、ミクロマンとサイボーグは、地球の平和のために堅く手を結びあったのだった。そしてミクロマンはネオノーチラスで分子結合による武器開発を進める片貝博士に仲間のトムを派遣し、ミクロマンとサイボーグの結合マシンの完成を進める一方、博士の協力により、超合金スーパーミクロン製の円盤製作にとりかかった。
宇宙の平和を願うサイボーグとミクロマンは今、侵略者撃退の壮大な計画を強力におしすすめる事に合意し、これをビクトリー計画(略称「V計画」)と名づけ、全世界の仲間にこれを発信した。



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